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松下剛インタビュー
松下剛インタビュー

“日本を元気にする”為の製品や活動を行っている企業を紹介している
読売新聞東京本社 YOMIURIONLINE特集サイト「日本を元気にする企業2011」に参加しております。

 私は長崎県の五島列島出身で、小学6年生の頃からいずれ社長になると決めていました。社長になろうと思ったのは私を育ててくれた松下家を豊かにしたい、そして五島列島に恩返ししたいというのが一番の理由であり、またそれが出発点でした。初めての「商売」は中学1年生のときですね。新聞配達をしてお金を貯めて、当時珍しいパンダウサギやニワトリを仕入れて売ったりしていました。今思えばそこでの経験が経営の原点になったんです。
 そのとき一緒に商売をしていた後輩の清川という男を面接したのも中学生の頃です。いつか必ず愛知県で会社を起こすから、そのときは社員第一号になって欲しいと、笑う親を横目に真剣に口説いていました。それは現実となって、清川は今、MTGの宅水事業部「キララ」で製造責任者として活躍してくれています。なぜ愛知県かというと、日本を代表する会社のトヨタがあるのと、有名な武将がたくさんいたからという単純な理由なんですよ(笑)。
 高校を卒業して愛知県に行き、デンソーで3年間勤めた後、独立資金を貯めるためにリフォーム会社で2年間働きました。起業にあたって特に何の事業をやると決めていたわけではないんですが、会社を起こすことに迷いはありませんでした。「松下家を豊かにしたい」から出発して「五島列島に恩返ししたい」という強い想いがありましたから。
 23歳で独立して会社は今期で17期目を迎え、社員も200数十名になりました。苦労を乗り越えてこられたのは、お客様、協力会社様との出会いに恵まれ、社員一丸となってきたからです。

 美容と健康の分野で、新しい価値のある商品を生み出していきたいと思っています。美しくあり続けることは、健康であり続けることにつながります。「美しく生きようとする女性の願いを叶えたい。」いつの時代も女性が美しくありたいと願う心、つまり「美」に対するニーズは変わりません。素肌が美しくなると、自分に自信が持て、その自信がきっと生き方にも表れます。MTGでは世の中の女性に生き方までも美しくなってもらえるような商品をつくり続けていきたいと思っています。健康に関しても皆さまの永遠のテーマですよね。20代のときには気にならなかったことが、30代40代になると気になってくるものです。美しくありたい、健康でありたいという想いに対するニーズは年代によって違いますから、明るくイキイキとした人生を送って頂くためにも、それぞれのお悩みに応えられる商品ブランドをシリーズ展開していきたいと思っています。

 美容機器業界は化粧品業界とは違って、業界そのものへの信用度がまだまだ低いのですが、でも、それだけに可能性にあふれていると私は考えています。美容機器分野ではメジャーな会社が少なく、品質もデザイン性もまだまだ改良すべき点があります。それなのに消費者の皆さまからのニーズは高い。つまり市場が出来上がっていない、そこにチャンスとやりがいを感じます。本当に品質の高い物を皆さまが待っているんですよ。それを証明したのが「ReFa(リファ)」という商品で、おかげさまでたくさんの皆さまからご好評をいただきました。
 MTGでは品質を裏付けるエビデンスデータの取得に徹底的にこだわっています。「ReFa」の場合も大学の先生などその道の権威と言われる方々に効果を検証していだだき、さらにそれを美容のプロの方に認めていただけたことが好評につながったと思っています。
 中小企業だからといって、そういった方に相手にされないかというとそうでもありません。誠意を持ってご相談に上がれば想いが伝わって良い出会いにつながるものです。初めからあきらめていては、道は開かないですから。また、メーカーとしてさらに高い品質を追求するために、大手メーカーの中でもさらに各分野において一流のスペシャリストと呼ばれる方々に顧問になっていただき、企画、開発、化粧品、知財、物流、IT化の各分野においてそのノウハウを最大限に吸収させていただいて徹底的に改善に取り組んでいます。学んだことを必ず成長につなげて、我々が業界を活性化していきたいと思っています。


東京大学

社是「一人ひかる 皆ひかる 何もかもひかる」

 ベンチャーからのスタートで経営に関する知識も経験もない中で、何を信念とするかを考えたとき、思い至ったのが私を育ててくれた両親と、故郷の皆さんへの感謝の気持ちでした。その気持ちを原点として、私の人生哲学の大師匠である父親から学んだことをベースに経営をしていこうと父の名前「光男」(みつお)の一文字をとり、理念を「光魂(ひかるだましい)」に決めました。会社のビル名も「HIKARI(光)ビル」です。MTGが大きく成長し光り輝くことで、MTGに関わる全てを光り輝かせたい、そういう想いが強くこめられています。


本社/HIKARIビル

研究開発センター/
第2HIKARIビル

 その理念を形にするために、MTGでは「グループ経営方式」という経営システムをとり、一人ひとりが経営者意識を持つようにしています。理念に基づいた全員参加型経営を実践することで、“誰かがやってくれるだろう”という依存型ではなく、自立した一個人の集合体をつくることを大事にしているのです。無借金経営を続けることができているのもそうした考え方をベースに、数字目標だけでなく、理念や夢を共有できる環境づくりができているからだと思っています。
 グループのリーダーが初めて部下を持ったとき、よく「どうやって信頼関係を築き、チームをまとめていったらいいか」と相談にきます。みんな難しく考えているようですが、私は「弟や妹と思えばいい。他人ではなく身内ならば、思いやることもできるし、相手が間違っていると思うときに真剣に叱れるだろう」と答えています。
 部下を兄弟だと考えていれば真剣になれます。プライベートな相談でも受けられる上司と同僚、苦楽を共にできる環境づくり、そういった“大家族主義”でやってきたことが、社員同士の絆を深めているんです。

 創業時から一番大事にしてきたことは“人づくり”なんです。
 実は2008年に初めてリコールを経験しました。そのとき、私たちは逃げないで責任を認め、自分たちから行政に申し出て約1万2千台の商品を自主回収しました。入社して1年未満の社員の中には辞めていく人もいましたが、それ以外の大半の社員は私を信じて一緒に問題解決に当たってくれました。ずっと“人づくり”に力を入れてきてよかった、間違ってなかったと心から感じた瞬間でした。あのとき営業が8ヵ月間ストップして、やっと再開と思ったら待っていたのはリーマンショック。それでも私たちは不況をチャンスと捉えて、翌年には過去最高の利益を出すことができたんです。仲間が信念を持って頑張ってくれたからこそのV字復活です。販売会社様や協力会社様との信頼関係もこのときいっそう深く、強くなりました。

 今思えばこの問題は、MTGが自分たちの理念に基づいて困難を乗り切れるかを試された「試練」だったのでしょう。おかげさまでメーカーとしての責任を痛感し、より一層品質への意識も高まりました。そして、何よりも社員同士が家族以上の「本当の仲間」になれたと実感できた、貴重な出来事だったと思います。良いときだけの仲間はいつでもできるんですよね。本当に大変なときこそ一緒になって踏ん張ってくれる仲間がどれだけいるのか、それが、いざというとき会社を支えるんです。
 社員は私の自慢です。利益も出すが、仲間づくりはもっと大切です。近ごろは女性社員も増え、女性向けの商品も増えました。社員が自分達の感性を活かして活躍してくれている姿は見ていてとても嬉しいです。仲間が増えても互いに信頼関係を脈々とつないでいって欲しいと強く願っています。


光塾生

 経営は団体戦です。スーパースターが一人いるよりも、それぞれの役割を必死で頑張る人がいる集団が強い。会社が好きでやる気のある人、素直に頑張る人と一緒に仕事がしたいですね。
 いつもそんな風に言っていたところ、ある社員が会社をもっと良くしたいという想いから‘光塾’(ひかりじゅく)という塾を立ち上げて、「もっとMTGの理念を学び心を高め、魂を磨きたい」と言い出しました。驚かれるかもしれませんが本当なんですよ。今「光塾」では若手社員が休みを使って「理念」「考え方」をベースに経営についての勉強をしてくれています。有り難いですね。心から誇りに思います。勉強方法もユニークで、私や幹部、活躍中の先輩が講師に指名されることもあります。あとはチームに分かれてフリーマーケットをやったりね。これは商売の原点を学ぶためにはうってつけで、仕入れ、値付け、販売方法、接客、リーダーシップ、すべての要素を学べて、心を高め合うトレーニングにもなるんですよ。こうやって「グループ経営」のリーダーを任せられる人材が育っていくのを間近で見られるのは何物にも代えがたいですね。


ビューティーワールドジャパン2011

 ベンチャー企業にとって不況はむしろ追い風だと思っています。土地代や広告費といったコストが下がり、市場全体で新商品の発売数が減るので自分達の商品を検討していただくチャンスが増えますしね。
 東日本大震災による市場への影響も心配されていますが、こんなときだから我々企業ががんばってちゃんと利益を出し、堂々と税金を納めて、国や地域の税収を増やし雇用を生み出さなければなりません。逆境の今だからこそ、夢に向かって進まなければならないと思うんです。ある調査で、「あなたの国に夢と未来はありますか?」という質問に対して「ある」と答えた人が中国では90%、アメリカでは60%だったのに対して、日本ではわずか30%だったとか。企業も同じで、社員が「未来がない」と感じる会社の業績が伸びるわけがありません。経営者のいちばんの仕事は、「自分の会社には未来がある」と社員に信じさせることじゃないでしょうか。

 何よりも日本には戦後の焼け野原から経済大国をつくり上げてきた超一流の企業がたくさんあります。そこにはすさまじい研究、すさまじいマーケティング、すさまじい品質管理を積み重ねた実績があり、私たちは今こそ、そこから学ぶべきだと思うんです。先輩方の経験を引き継いで、今度は我々の世代がハチマキを巻いて、日本を背負って立つ番だと思っています。

 世界市場での種まきは着々と進めている最中で、すでに豊田通商様とアライアンスを組んでアメリカ、シンガポール、マレーシア、中国、韓国、サウジアラビアで商品販売をスタートさせました。世界に目を向けたマーケティングも本格的に行っています。
 美容分野においても、日本製品への信頼は絶大です。メイド・イン・ジャパンの美容製品を世界中で展開すれば、日本に大きく貢献できるはずです。世界に目を向けたプロモーションの第一歩になったのが、MTGの商品がグラミー賞とアカデミー賞に2年連続で公式に採用していただけたことです。田舎者の私が、まさか世界中が注目するイベントに呼んでいただけるとは思ってもみませんでしたね(笑)。2年連続というのは日本企業では初めてで、世界のセレブリティにMTGの商品を認めていただくことができたんです。前向きに生きているとご縁があるものですね。
 その他にも中国の上海にある「復旦(ふくたん)大学」の中にオフィスを構えて、企画やマーケティングについて取り組んでいます。中国人学生はすさまじく勉強していて、すごいバイタリティを感じますよ。しかし、日本も負けていられません。日本もまだまだ捨てたものじゃないということをMTGが先陣を切って証明していきたいと思っています。


The 83rd Annual ACADEMY AWARDS Celebrity Gift Lounge

53rd Annual GRAMMY AWARDS Official Backstage Gift Lounge

上海:復旦大学

 ベンチャー企業としてスタートし、欲張らず、地道にコツコツと結果を積み上げてきて今があります。我々の目標は6年後に経常利益100億円を達成すること。今だからこそ国のため、故郷のために業績を伸ばしたいと思っています。MTGが伸びれば、社員が豊かになり、関係企業様の業績が伸び、世の中に対しても貢献できます。社員も関係企業様も全員が誇りを持てる会社、MTGはそういう会社でありたいのです。
 私は今、自分のことを経営者としては中学1年生だと思っていて、周囲にもよくそう言っています。中学1年生なんだから、経営者として、もっともっと勉強していく。だから社員一人ひとりも勉強していかなければなりません。しかし、中学1年生は人生でいちばんの伸び盛り。大きな目標に向かって全員でぐんぐん伸びていける時期です。大きく成長するには仲間が同じ夢を見ること、その考え方は昔から変わりません。 先日、伸びている国のエネルギーをみんなで吸収しようと、上海で各グループリーダーと経営会議を開きました。全員の心が一つになった、とても大きな意義のある時間でしたね。先にお話しした復旦大学のオフィスの中にも「光の間(ひかりのま)」という畳の部屋をつくりました。そこでおおいに夢を語り、想いを世界へと発信したいと思っています。
 「松下家のため、五島列島のため」からすべては始まりました。そして今は、社員が物心共に豊かになること、関係企業様を活性化すること、そして日本という国の希望の光になる、というミッションがあります。そのために、お客様にとって価値のある商品をお届けして仲間と達成感を分かち合いながら、いずれその先にある世界中を光らせたいと心から想っています。


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