手は「外部の脳」である。

「外部の脳」とも言われるほど、身体の中でも特に、脳との関わりが深いとされる「手」。
昔から手や指を意識的に使うことの重要性はさまざまな場面で語られてきました。
では一般的に、私たちの手は脳にどのような影響をもたらすのでしょう。
順天堂大学・小林弘幸教授にお聞きしました。

小林弘幸
実に、大脳皮質の約3分の1が、手の運動・感覚をコントロールするために使われています。

順天堂大学 病院管理学研究室 総合診療科 医学博士
小林弘幸

手は脳へ刺激を与えるのに効率的な場所とされています。
これは、手と指をコントロールするために使われる大脳皮質※1の領域が3分の1以上を占めているためです。手を刺激することは、心や身体にさまざまな影響を及ぼすと言われています。
みなさん、意識的に手を刺激して、気軽に心身のコンディショニングを行ってみてはいかがでしょう。

※1 大脳皮質の運動野・感覚野

HAND×BRAIN
集中力アップ
脳の血流アップ

手への刺激が神経を刺激することで、
脳内の血流量がアップ。より多くの酸素・
栄養素が脳に選ばれ、脳が活発に働くようになり、
集中力や決断力がアップすると言われています。

脳の伝達量アップ

手を動かすと、感覚中枢と運動中枢の神経細胞が
活発に働き、ひとつの神経回路をつくります。
この回路で、神経細胞間の情報伝達を行うのが
「シナプス」です。細かで複雑な手の動きほど、
情報の伝達量も多く、シナプスの発達を促進し、
脳の機能を高めると言われています。

ストレス解消
脳の伝達量アップ

手への皮膚刺激が効果的に自律神経を刺激。
交感神経と副交感神経のバランスを整え、
ストレス解消にも効果があるとされています。

ACTIVE BRAIN
脳波と身体

脳波とは、脳内で発生する電気活動を、脳の各部に置いた電極で記録する方法のことです。
目に入ってくる光の量や精神状態、聞いている音、外的刺激など、少しのことで瞬時に変化します。

  • アルファ波
    目を閉じて安静にし、リラックスしている時や、ひとつのことに集中している時などに現れる。
  • ベータ波
    不安な時、イライラしている時、緊張している時、興奮している時などに現れる。
  • シータ波
    極めて浅い眠りの状態で、無意識に近い。α波よりもさらにリラックス感を深める性質がある。
小林弘幸(こばやしひろゆき)
順天堂大学大学院医学研究科(小児外科)博士課程を修了後、アイルランド国立小児病院外科等を経て、順天堂大学小児外科講師・助教授を歴任。その後、順天堂大学医学部教授。公益財団法人日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に関わる。

※個人の見解です
※上記の内容は一般的な見解であり、特定の症状などに対して効果効能を約束するものではありません。
※特定の症状に関しては、専門医にご相談ください。