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2021/03
リリースグループ会社
五島の椿株式会社 サステナブルビジョン
長崎県・五島列島の持続的な発展に向けて、島の宝「椿」の可能性を発信

地元中学生へ向けて地域資源の再認識・再発見を目的とした郷土教育授業を実施
株式会社MTG(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:松下剛)は、五島の椿プロジェクト認定パートナーである五島の椿株式会社(本社:⻑崎県五島市、代表取締役社⻑:⾕川富隆)より、日本一椿が自生する五島列島の貴重な地域資源である椿を活用し、持続可能な商品の開発、販売する企業として、地域資源の再認識と地域の魅力を再発見することを目的とした、郷土教育授業を地元中学校で実施しましたことを、お知らせいたします。
授業では、地元の中学生たちが五島列島の課題と魅力を再認識し、その魅力の利活用方法や、課題の解決方法に関して、グループワークを通して考えました。また、個の力では出来ないことも、多くの企業や、行政、大学、地域の人たち"産学官民"協力し合うことにより、実現できることを伝えました。
郷土教育授業の内容
■ 授業の目的
中学生たちが、自身が住む五島列島の課題と魅力を再認識し、その魅力の利活用方法や、課題に対して自分たちに何ができるかを考える機会を持つこと。
■ 五島列島の現状
60年前五島列島には、16万人近い人口がいましたが、現在は約6万人弱となっています。島には高校までしかなく、進学や就職のために、毎年8割の高校生たちが島を出て行ってしまいます。
五島市
新上五島町
■ 授業内容①
<椿の歴史を学ぶ>
自身が生活している五島列島と、貴重な地域資源である椿の歴史について説明しました。
西暦630年の遣唐使の時代から、唐への最後の経由地として五島列島に寄港し、海柘榴油(つばきあぶら)を、唐への献上品として、五島列島で仕入れていました。(出典「新日本紀4」献上品目録)
椿の活用方法は、実の種から絞る"椿油"が遣唐使の時代以前から伝わる伝統的産物でした。それが近年約10年の弊社および(株)MTGの研究により、油以外にも椿には多くの有効成分が詰まっていることがわかりました。
<椿の可能性を伝える>
年中あおあおと艶やかな葉を茂らせている椿葉には、人の皮脂と類似した天然の保湿成分"椿葉クチクラ"や、天然洗浄成分"椿サポニン"などの美容成分が含まれています。
また近年、五島の椿の花から、酒を醸造したり、パンを発酵したりすることのできる酵母菌"椿酵母"が発見されており、すでに焼酎、ワイン、日本酒などの酒類や、ベーカリー向けの生パン酵母の製品化に成功しています。さらに、椿の葉や酵母菌以外にも、花や枝、果皮、幹(炭)なども活用可能であることがわかってきました。個の力では出来ないことも、多くの企業や、行政、大学、地域の人たち"産学官民"協力し合うことにより、椿の可能性を広げることができることを伝えました。
グループワーク
椿の実をわり、種を取り出し乾燥させ、椿油を絞る工程を2回に分けて実施。
椿油ができるまでの手間隙と、種から絞り出せる油の量から、その希少性を認識しました。
■ 授業内容②
グループワーク
自分たちが住んでいる五島列島の魅力について話し合いました。
「海がキレイ」「魚が美味しい」などといった、海に関する意見が多く上がりました。
<海の中で起こっている課題を知る>
五島列島の抱える課題の一つとして"磯焼け"というものがあります。磯焼けとは、近年の温暖化により、水温が上昇し、それにより冬場はいないはずの魚や海洋生物が年中磯に居座り、海藻を食べ尽くしてしまい藻場に海藻がない状態を言います。
藻場を食い荒らす魚のイスズミやアイゴ、ガンガゼなどを、行政は毎年国の支援も受けて駆除しています。 その反面、五島列島がある長崎県は、魚種日本一を誇る、日本随一の漁場でもあり、アゴ(トビウオ)や、クエ、マグロ、タイ、ブリなどの美味しい魚も多く水揚げされます。
<解決策を考える>
普段から人気の魚に加え、駆除対象とされていたイズズミなどの魚を有効活用することで、香り豊かで、旨味たっぷりの魚醤「五島の醤」が生まれましたことを紹介しました。課題を課題のまま見過ごさずに、解決方法を考え抜いたことにより、アイゴやイスズミは、駆除対象から価値のある原材料として進化し、結果的に水産資源の有効活用へとつながっています。
■ 最後に
「たくさん作る」→「たくさん見出す」
近年、私たちの生活は多くのものに囲まれ、より豊かな生活に恵まれています。しかし、その中で椿の果皮や、イスズミのように、価値があることに気づかず、捨ててしまっているものも多くあると考えられます。
私たちは、たくさんのものを作って販売する競争スタイルから、たくさんの価値を見出して、見出した価値の数で競争することで、まだ多くの人が気づいていない新たな魅力と出会い、資源の有効活用に繋がり、持続可能な経済活動が行えることを願っています。

私たちは、企業として利益を追求するとともに、人口減少が進む五島列島において、進学や就職で島を出る若者たちが「いつか帰ってきてこの会社で働きたい」、「いつか自分も島に貢献したい」と思える環境や、機会を提供してまいります。
そして、長崎県・五島列島に新たな産業を創出し、多くの雇用を生み出し地域に貢献します。
■ 五島の椿プロジェクトとは
「五島の椿プロジェクト」は長崎県を中心とする産学官民の力を集結し、五島列島に自生する椿を核に、商品開発から消費までを循環させることで、持続可能な産業と雇用を創出し、新たな地域活性のモデルケースを目指すプロジェクトです。
長崎大学などの研究により成分の優位性が証明された五島列島産の椿を原料に、様々な新商品の開発が行われています。その販売・消費により椿が広く有効的に使われ、継続的な産業と雇用を生み出すことを目的に、長崎県や五島市を中心とする地元の方々にご協力いただき、本プロジェクトを推進して参ります。

五島の椿プロジェクトサイト:https://gotonotsubaki-pj.or.jp/
■ 五島の椿株式会社
長崎・五島列島に古来から自生する椿を活用した事業展開を行うべく、2018年11月に五島市内に設立。
【椿を再発見し、その全てを活かす】をテーマに、椿の花や種のみならず、葉や枝、果皮、花から採取され"五島つばき酵母"といった素材をあらゆる側面から調査研究し商品開発を行なっています。
「椿」を通じて持続可能な産業の創出と、地域の発展に貢献します。

五島の椿株式会社:www.gotonotsubaki.co.jp
【本件へのお問い合わせ】
www.mtg.gr.jp/feedback/

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