社外取締役鼎談
MTGグループの持続的成長を支えるガバナンスと未来への挑戦

鈴木社外取締役、石田社外取締役(兼監査等委員)、飯田社外取締役(兼監査等委員)にMTGグループにおける価値創造と持続的成長を支える核心などをお聞きしました。
社外取締役・監査等委員としての使命と役割

IT・M&A・グローバル経営 有識者
―― 本日はお忙しい中、お集まりいただきありがとうございます。まずは、それぞれのお立場から社外取締役・監査等委員としての「使命と役割」についてお聞かせください。
飯田 私は常に「株主の視点」に立つことを自分の中の軸としています。会計士出身の社外役員は「守り」に偏りやすいと思われがちですが、一方で守りを強めすぎて成長の足かせになってはいけないと思っています。MTGグループのようなベンチャー精神溢れる企業においては、監督としての客観性を保ちつつ、「攻めと守りのバランス」をいかに取るかを重視しています。
鈴木 私は松下社長が「はいはい」と頷くだけの人材を求めていないと理解しています。IT、M&A、海外事業といったこれまでの経営経験を活かし、客観的かつ厳格に、株主の立場で助言を行うことが私の役割です。特に海外展開においては、現地の人材をいかに信頼し、活かせる環境を作れるかが成長の鍵になると考えています。
石田 私は弁護士として、忖度なく意見を述べることを大切にしています。ただし、単に反対するのではなく、「こうすれば実現できる」という解決策や代替案をセットで提示することを心がけています。事業の一つひとつには社員の皆さんの熱い思いが詰まっています。わずかなリスクを理由に一刀両断するのではなく、前向きに議論を深めることが役割だと考えています。
MTGグループのガバナンス体制と意思決定の「実効性」
―― MTGグループの意思決定は非常にスピーディですが、ガバナンスの実効性についてはどう評価されていますか?
鈴木 2025年12月から参加していますが、事前準備が非常に緻密で、論点が整理された状態で議論が進んでいることに驚きました。特に株主総会での事業説明に1時間を割く松下社長の姿勢には、株主を大切にする経営の神髄を感じ、心を打たれました。
石田 取締役会は非常に真剣で、率直に意見を言える雰囲気があります。社外取締役が過半数ではないという点はありますが、誰か一人でも異論があれば、それを丁寧に解消するまで決議を急がない文化があります。また、重要議案については、取締役会の数日前に、必ず担当部門からの事前説明の場を設けていただき、詳細を把握するとともに、疑問に思った点を意見しています。また、監査等委員会においても、リスクを徹底的に擦り合わせることで、ガバナンスとスピードを両立させています。
飯田 監督(監査)と意思決定が一体化しているのは、効率的かつ合理的な設計だと思います。監査等委員会の中で事前に確認すべきリスクについて共通認識を持った上で、取締役会に臨んでいます。さらに、常勤監査等委員との緊密な連携により、現場の状況や実務的な視点を踏まえた監督が可能になっており、情報の透明性も非常に高いと感じています。
2025年9月期の具体的な議論とプロセス
―― 2025年9月期、特に印象に残っている議論や意思決定のプロセスはありますか?
石田 2025年9月期は、特にM&A案件が強く印象に残りました。株主の立場で全ステップの妥当性を確認し、財務・税務・法務の専門家を交えた事前説明や協議を数か月重ね、慎重かつ客観的に判断できました。事務局の手厚い準備や追加説明の機会も整い、検討不足なら議案を見送る運営が取締役会の質を高めています。
鈴木 最も印象に残ったのは、M&Aに関する議論です。M&Aについて、私は「結婚」と同じだと考えています。相手企業の人生を引き受けるわけですから、数字に表れない人間性や文化の適合性を重んじるべきです。買った側が威張るのではなく、一定期間はお客様のように丁寧に接する。この「買った後のガバナンス」についても、ITによる連動やセキュリティ基準の統一を含め、より強固にしていきたいと考えています。
飯田 就任直後のM&A案件が最も印象的でした。株主の視点でプロセスを確認し、財務、税務デューデリジェンスにも積極的に関与したことで客観的に判断できました。また、連結ガバナンスの視点から買収後の内部統制についても事前に議論されており、MTGグループの意思決定プロセスの妥当性を強く実感しました。
鈴木 システム統合に関する議論も印象に残っています。業態が異なるため全システム統一は現実的ではありませんが、連結のタイミングに合わせ、人事など最低限統一すべき領域は明確にする必要があります。特にインフラやセキュリティ基準は全社で定めないとリスクが生じるため、まずは統一必須項目を整備していきたいと考えています。
企業価値向上の取り組みにおける取締役会の役割と功績

公認会計士・内部統制 有識者
―― MTGグループの企業価値向上の取り組みにおいて、取締役会(特に社外取締役)の果たしている役割とその成果をご説明願います。
飯田 社外取締役として、財務面を中心にリスクの見落としがないかを専門的知見から厳密に確認し、楽観的な前提に偏らない健全な意思決定を支える役割を担っています。また、大規模投資が続く中、応援する立場を保ちつつも一歩引いた客観的判断を重視しています。内部統制については、改善すべき点や新たに構築すべき点がないかを常に意識しながら、統制の質向上に努めています。今後も問題の芽を早期に捉え、関係部門と連携し、企業価値の持続的向上に寄与していきます。
石田 コンプライアンス上の漏れや重大なリスクの見落としがないかを常に確認しつつ、投資や新規事業開発といった前向きな議論にも積極的に関わっています。意思決定が速い会社なので、自身も迅速な対応を徹底しています。一方で、ある程度時間をかけて慎重に検討することが必要な場合もあり、大型投資案件では外部専門家も含め丁寧に検討を重ね、実現に至ったことが大きな手応えとなりました。
鈴木 M&Aの意思決定プロセスやITセキュリティ体制、教育の取り組みについて継続的に質問し改善点を確認しています。こうした働きかけを通じ、1年後には自分が言わずとも成果を評価してもらえるような貢献を目指しています。
将来性と価値創造:「光フィロソフィ」と独自の強み
―― MTGグループの将来性や、他社にない強みについてはどう見ていますか?
鈴木 MTGグループは「衣食住+美容」という、AI時代になっても代替不可能な領域に挑戦しています。単なる開発だけでなく、美容サロンやホテルといった現場に自分たちの足で販路を築いてきた営業力と、洗練されたブランディングが重なっている。これは他社が簡単に真似できるものではありません。
飯田 最大の強みは企業理念とそれを支える「光フィロソフィ」です。理念が単なる形式ではなく、社員一人ひとりに深く浸透し、日常のコミュニケーションの中に生きています。その結果、社員が急増しているにもかかわらず、組織全体にまるで一つの家族のような一体感が醸成されていることは、当社グループの大きな強みであり、独自性であると感じています。
石田 「グループ経営方式」によって一人ひとりが経営者意識を持っているのも驚異的です。理念に裏打ちされた圧倒的な行動力があるからこそ、良い商品を世の中に広める力が強いのだと思います。
ステークホルダーへの情報発信と対話の深化について
―― 社外取締役はステークホルダーの利害を代表するお立場であります。ステークホルダーへの情報発信、対話の深化、社会からの信頼と共感の喚起等に対する皆様のお考えをお聞かせください。
飯田 現状、投資家とは開示を通じた情報提供に限られていますが、良い情報だけでなく課題やリスクも含め、規模拡大には内部統制やガバナンスの強化が不可欠で、これらは会社とともに進化させるべき“生きた仕組み”だと感じています。監査等委員として必要に応じて助言し、適切な体制づくりを支えていきたいと考えています。
鈴木 初めて取締役会に参加した際、社長が20年先を見据えた話をされており、長期視点で会社を導いていることに強い印象を受けました。自分もIT・M&A・グローバルの経験を活かし、この期間に将来の骨格づくりへ貢献したいと考えています。20年後も元気で見守れるよう努めたいと思っています。
石田 不正を未然に防ぐ体制を整え、リスクを適切に把握することが第一だと考えています。その上で難易度の高い投資案件についても、リスクを見極めつつ前に進めるための支援をしていきたいと思います。私のモットーは「Cool Head, but Warm Heart」です。情熱を持って仕事に向き合い、共感を大切にしながら、冷静さと温かさを両立し、常に寄り添う姿勢を心がけています。その根底にあるのが、人の人生に活力をもたらす「VITAL」な価値観です。
飯田 投資家の判断に資するフェアな開示を重視しています。今後は財務情報に加え、サステナビリティ活動と本業とのシナジーや競争優位との関係も丁寧に説明し、信頼ある情報提供を目指したいと考えています。
石田 社会貢献の観点で印象的だったのは、業界のルール作りを自ら主導している点です。ファインバブルやReDなどの一般医療機器のリカバリーウェアなど、安全性と効果を備えた製品を世に出し、業界全体の健全な発展につなげようとしている姿勢に強い意義を感じました。
鈴木 社会貢献は分かりにくい概念ですが、地域や業界を通じて貢献することが本筋だと考えています。名古屋市熱田区に建設する新本社からの発信や、業界全体を良くするために自社の取り組みをオープンにし、先導していく姿勢は非常に意義深いものです。取締役の皆さんも率先して取り組んでおり、今後さらに発展する動きを見守りたいと思っています。
今後の課題:対応を強化すべき経営課題、コーポレート・ガバナンスの課題

弁護士・ファイナンス・M&A 有識者
―― 敢えてお聞きしますが、現在のMTGグループにおけるガバナンスや経営の「課題」は何でしょうか?
飯田 二点あります。一つはサクセッション・プラン(後継者育成計画)です。特定の経営陣に依存しすぎず、実力のある次世代リーダーをいかに組織的に育成し、安定性を確保するかが大切です。もう一つはサステナビリティの深化です。今はまだ目標値を定めている段階ですが、会社の皆さんがサステナビリティについて本質的に腹落ちし、いかに「本業の成長」と結びつけていけるかが重要になってきます。
石田 管理部門のプレゼンス向上も重要です。成長スピードが速い分、どうしても営業や事業部門にスポットが当たりがちですが、成長を支えているのは管理部門です。管理部門の疲弊を防ぎ、彼らがもっと誇りを持って働けるような評価や表彰の仕組みを松下社長とも議論していきたいと考えています。また、子会社の管理(連結ガバナンス)においても、本社の統制と現場の自律性のバランスを最適化し続ける必要があります。
鈴木 ITによる効率化も不可欠です。システムを導入するだけでなく、使う側のマインドセットを高める教育が必要です。また、経営陣も現場の管理部門に足を運び、現物を見る機会を増やすことが、本当の意味での統制につながると考えています。
ステークホルダーへのメッセージ
―― 最後に、ステークホルダーへのメッセージをお願いいたします。
飯田 MTGグループは圧倒的なスピードで成長し、組織も毎月のように最適な形へ変化しています。一方で、
規模拡大には内部統制やガバナンスの強化が不可欠で、これらは会社とともに進化させるべき“生きた仕組み”だと感じています。監査等委員として必要に応じて助言し、適切な体制づくりを支えていきたいと考えています。
鈴木 初めて取締役会に参加した際、社長が20年先を見据えた話をされており、長期視点で会社を導いていることに強い印象を受けました。自分もIT・M&A・グローバルの経験を活かし、この期間に将来の骨格づくりに貢献したいと考えています。20年後も元気で見守れるよう努めたいと思っています。
石田 不正を未然に防ぐ体制を整え、リスクを適切に把握することが第一だと考えています。その上で難易度の高い投資案件についても、リスクを見極めつつ前に進めるための支援をしていきたいと思います。私のモットーは「Cool Head, but Warm Heart」です。情熱を持って仕事に向き合い、共感を大切にしながら、冷静さと温かさを両立し、常に寄り添う姿勢を心がけています。その根底にあるのが、人の人生に活力をもたらす「VITAL」な価値観です。